蟻②

アスファルトの上を一匹の蟻が進む。
向こうから来る蟻と目が合う。何も交わさず、ただすれ違うだけだ。

昨日の雨の記憶も、胸のざわめきも、波のように揺れるだけ。
答えはない。前へ進むだけだ。

一歩、また一歩。
蟻は淡々と夜の街を横切っていく。