夢③
身動きのできない猫と大量の鼠がいる
猫の身体は口以外を器具でがっちり拘束されており、鼠はそれを嘲笑うかのように鼻先をうろちょろしている
猫は目の前の鼠を嚙み殺すこともできる
でも、それがあまりに悪手であることに猫も気づいている
猫が口を開けた途端に、最後尾が見えないほどの大量の鼠が体内に侵入してくるからである
猫がゴロゴロ唸りながら、藻掻いている
鼠を援助しようと、猫の口を誰かがこじあけ開こうとする
必死になって口を閉ざし続ける猫の鋭利な歯が微かな光を放つ
猫が一瞬、薄く口を横に伸ばすと口の中から一匹の子猫が顔を出した
子猫は純粋であるがゆえに物分かりが良かった
鼠と対面するも、一切敵対視することなはく、母猫の口を内側から無理矢理に広げた
母猫は子猫を噛み殺すまいと力を緩めた
途端に何百、何千と鼠の大群の侵入を許した
子猫はすぐに見えなくなった
ゴボゴボと鼠達が口内に押し寄せ続ける
声も出せない母猫は、悲しそうにゲロゲロ涙を流した

