屋根の上にトイレはあるのか
屋根の上を誰かが歩いている。雀かもしれないし、そうじゃないかもしれない。雀なら、なぜ鳴かないのか。そうじゃないなら、なぜ、トントンとリズムよく音を奏でるのか。
職場には、自己中心的な人間が多い。私もそんなつまらん人間のうちの一人なんだと思う。我先に我先に、常に自分のことしか考えず、自分のことを考えなくても、自分は常に自分のことを考えている。
トイレで座って用を足すと、安心する。トイレットペーパーを巻き取る音、
軽くノズルを引いて聞こえる流水音、そのすべてが心地いい。
屋根の上で誰かが生活している。小人がいるのかもしれないし、そうじゃないのかもしれない。小人なら、なぜ下の階の住人に挨拶をしてこないのか。そうじゃないなら、なぜ、皆が寝静まったときにゴソゴソ怪しい音を立てるのか。
職場には、優しい人も多い。私もそんな人になりたい。我先に我先に、常に相手のことを考えて行動して、常に優先順位は他者にある。
セミを捕まえるときは、決して気づかれてはいけない。そっと背後から知らぬ顔して忍び寄る。
軽く、背中に触れるとしょんべんを垂れ流すから可愛らしい。
屋根の上で誰かが嘆いている。雀でもなさそうだし、小人でもなさそう。外から見てみるとやっぱり誰もいない。でも、誰もいないならだれが嘆いているのだろう。こんなにも天気の良い日に何を嘆くことがあるのだろう。
もしかして、雀からいじめられたかもしれないし、小人から大事にしていた私物を奪われたのかもしれない。
屋根の上では家賃は発生しないらしい。トイレがないからだ。用を足すときは、どうぞご自由に。誰かに見られているかもしれないし、見られていないかもしれない。見られているなら、恥ずかしいし、見ている方は、物珍しくても見ちゃいけない。
だから、家賃タダなのだ。やっぱり家にトイレはあった方が良い。
結局、屋根の上にトイレはあるのか?

